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テヘランでロリータ

日曜日の朝日新聞、詩人の小池昌代さんの「テヘランでロリータをよむ」の書評を読む。

その本も読んでいなければ評者のこともほとんど知らないのだが、
その書評からとても新鮮な印象を受けたのだった。

原著者はイランを追われた大学教授で、まだテヘランに居た頃に7人の女子学生と密かに行われた読書会の有様を書いたものらしい。

柄谷行人「近代文学の終り」を読んだ直後だったせいか、
評者の筆致の瑞々しさのおかげか、
近代文学がはじまろうとしている国があるのだなという感慨のようなものが湧いてきたのだ。

だがこのことを後進国が先進国のたどった歴史を反復しているのだなどと考えるとしたら、
それこそ退廃というものだろう。
反復はまた創造をともなっているに違いない。
ルネッサンスとはあらたな創造なのだ。

そういえば、この業界では「国文学は売れない」というのがこのところ定着しているのだが、
なかでも「万葉集」は全然売れない。
これも時代の反映なのであろうか?
今度、市川の博士に聞いてみよう。
by nhsmt | 2006-10-03 17:38
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