このところ病院とホームとを行ったり来たりで芳しくない。
内臓はどれもボロボロで年を越すのは難しいと言われたらしい。
土曜日に見舞いにいくと、
「クソッ、クソッ」ともだえていた。
うんこが出なくて苦しいのだ。
私も先般これを味わったばかりだったが、
なす術とて無くただひたすらぎこちなくおヤジの下腹や腰や大腿をなでまわすばかりであった。
だがこれもなかなか難しい。
あちこちに床擦れができており、これに触れると激痛が走るらしいのだ。
しかして、「クソッ」「イテェ」「クソッ」「イテェ」と格闘すること一時間ばかり。
わが手も少しはつぼを心得たか
いつの間にかおヤジはトロトロとねむりにおちた様子だった。
二時過ぎに介助の人がおむつを取り替えに来た。
うむっ! うんこのにおいだ。
うんこのにおいにみたされて
裸型のいのちふりそそぐ
十二月に入ってから
例の「喪中につき年頭のご挨拶・・・」のはがきが立て続けに4枚きた。
そのうち一枚は58歳、もう一つは59歳だった。
そして、佐賀の一家の「父親に会うの記」である。
私の初老期「鬱」は木っ端みじんに吹き飛んだ。