人気ブログランキング | 話題のタグを見る

メランコリー

メランコリーは心的現象だと考えられがちだが、
次第に生理現象だと思うようになってきた。
というよりも心的過程と生理的過程、心と身体は分けて考えるべきではないという東洋的な考え方のほうがこのごろ納得できるのである。
心の病は身体から、身体の病は心から攻略すると意外とすんなりやり過ごせることもある。
己の心の中に何らかの原因を見いだそうとするのは百害あって一利もない。
トートロジーの土壺にはまるだけである。
心の底のさらに奥、心と体とが接する穴からエネルギーの粒がポツポツと珊瑚の産卵のように湧きだしてくるまでただじっと待つより無い。
この穴に近づくには言葉は禁物である。
ゲーデルが言ったように、自己言及型理論は正確な解を得られないのである。
心のことは身体に聞け。
己のことは他者に聞け。

ナルシストがメランコリーに陥りやすいのは己に夢中になりすぎて自家中毒を起こしてしまうからなのだ。
現代人が皆メランコリーなのは現代人が皆ナルシスに取り憑かれているからなのだ。

鬱病で死ぬ人が大勢いるというが、そんなはずはない。
リストラされたり、破産したり、このご時世では人間が追いつめられる理由はいくらでもある。
だが、そのために人間が鬱になるわけではない。
理由を己の中に見いだそうとする傾向が心を鬱にしてしまうのだ。

メランコリーは心の風邪のようなものだった。
そして今でもそうなのだ。

「ももさん」いいねえ!
by nhsmt | 2005-05-26 18:40
<< マルエン全集 雑誌 >>